第32回日本二分脊椎研究会

ごあいさつ

第32回日本二分脊椎研究会
会長  坂本 博昭
(大阪市立総合医療センター 小児脳神経外科、
 大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科)

この度、第32回日本二分脊椎研究会を2015年7月4日(土)に大阪市中央公会堂において開催させていただくことになりました。 

今回の研究会のテーマは、この研究会が目指してきた「二分脊椎患児(者)のトータル・ケア」とし、その中で思春期に発生する種々の問題を講演でとりあげようと思いました。思春期を迎えた患児(者)の肥満の問題を代謝やホルモンの面から解説いただくように大阪市立総合医療センター小児代謝・内分泌内科の依藤 亨先生にお願いし、病気を持った子どもの自立、親離れ・子離れの問題を高知大学医学部看護学科の松岡真里先生にご講演をお願いしております。また最近、目覚ましい研究の進歩を遂げている遺伝子レベルからみた中枢神経系の発生と二分脊椎の発生機序について、わかりやすいご講演を日本赤十字医療センター脳神経外科の伊地俊介先生にお願いしております。

この研究会では二分脊椎に関して非常の多岐にわたる領域を扱いますので、一般演題では思春期という時期には限定せず、会員の方々がこれまで取り組んでこられた成果や今後の方向性あるいは新しい試みのご報告を行っていただき、また日常の臨床現場で困った問題や解決策を持ち寄り、この疾患に関する情報を共有して患児(者)のトータル・ケア―につなげたいと思います。発表には口演に加えポスター発表を予定しており、口演では討論の時間を十分にとり、ポスターの前で少人数での活発な討論の時間を設けたいと思いますので、たくさんのご演題をお待ち申しております。

会場の大阪市中央公会堂は大阪市に寄付された資金をもとに1918年に建てられました。この建物は戦前からの歴史的な建築物として以前より国の重要文化財に指定されておりますので、当時の調度品や天井画を是非ご覧頂きたいと存じます。ただ、耐震用に最近改築されましたが古い建物ですので、地階や一階から会場の三階までの移動には階段以外に小さなエレベーターしかなく、この点はご理解いただけるようにお願い申しあげます。この会場は大阪市の市庁舎のすぐ近くにありますので、お時間があれば大阪市の顔として整備された中之島地区を散策していただき、これまでの大阪のイメージを新しくしていただければと思います。